高齢者の方や要介護の方が、安心して自宅で暮らし続けられるようにするためのサポート制度のひとつに「住宅改修」や「住宅改造」があります。
この記事では、それぞれの違いや制度の仕組み、申請の流れ、そして支給額や回数制限などについて、出来るだけ分かりやすく解説していきます。
住宅改修とは?
「住宅改修」とは、介護保険制度の中で定められている支援制度で、要支援・要介護認定を受けた方が
住み慣れた家で安全に生活するために行う小規模な改修工事のことを指します。
主な住宅改修の内容
介護保険の対象となる住宅改修の例は以下の通りです。
支給額と回数制限
原則として20万円(税込)までの工事費に対して、最大9割(1〜3割は自己負担)が支給されます。
支給は原則1回のみですが、引っ越しや要介護度の大幅な変化などがあれば、再度の利用が可能な場合もあります。
住宅改造とは?
一方、「住宅改造」は、地方自治体が独自に行っている支援制度で、介護保険の住宅改修よりも大規模な工事が対象になることが多いです。
住宅改造の例としては
支援の内容は自治体ごとに異なる
申請方法や支給額、対象となる工事の範囲は各自治体によって異なります。
所得制限が設けられていたり、事前申請が必要な場合が多いため、お住まいの市区町村に問い合わせることが大切です。
申請の流れ(住宅改修の場合)
- Step1ケアマネジャーに相談
まずは担当のケアマネジャーに住宅改修を希望する旨を伝えます。
- Step2住宅改修が必要かを確認
ケアマネジャーが必要性を判断し、改修内容を一緒に考えます。
- Step3業者による見積もりと図面の作成
改修を依頼する業者に依頼し、見積書と工事前・後の図面を用意してもらいます。
- Step4申請書類の提出
市区町村の窓口に必要書類を提出します(工事前に提出が必要です)。
- Step5工事の実施・完了報告
申請が受理されたら、工事を実施し、完了後に報告書を提出します。
- Step6費用の支給
工事後に自治体から支給されるか、または「受領委任払い制度」により利用者の自己負担分だけを支払う形となります。
住宅改修と住宅改造の違い
項 目 | 住宅改修(介護保険) | 住宅改造(自治体制度) |
---|---|---|
工事の規模 | 小規模(手すり設置など) | 大規模(間取り変更や全面改修など) |
支給額 | 最大20万円まで(原則1回) | 自治体ごとに異なる |
対象者 | 要支援・要介護認定者 | 条件は自治体によって異なる |
申請先 | 市区町村(介護保険窓口) | 市区町村の住宅支援窓口など |

住宅改修・住宅改造は、要介護者の「住み慣れた家で安心して暮らす」という思いを支える大切な制度です。
利用を検討されている方は、まずはケアマネジャーやお住まいの自治体窓口に相談してみましょう。